アミスギタケの液内培養菌糸体からの子実体形成の主要条件
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
アミスギタケの液内培養菌糸体からの子実体発生について検討した.3L容のガラスビンにマルトース,ペプトンを主成分とする液体培地を2L入れ,予めPDA培地3枚に平板培養したコロニーを約1〜2mm角に切断して調製した多数の菌糸体片を接種し,27℃で通気撹拌培養した.つぎに培養した菌糸体ペレットを濾過により培養液液と分離・収穫してペトリ皿に移し,菌糸体ペレットの高さの半分程度まで培養濾液を加えて浸した.このペトリ皿を27℃,光照射下で培養して子実体形成を誘導したところ,1-2日後に各ペレットの直接空気と接触する部分から気菌糸が発生し,つづいて原基が発生し,成熟子実体が形成された.しかし,繊維状に増殖させた菌糸体では子実体発生が大幅に遅れ,2週間では成熟子実体は形成されなかった.菌糸体ペレットの大きさと子実体形成の関係は,ペレットサイズが直径10mm前後のものが最適であった.ペレットからの子実体発生数はペレットのサイズが10mmまでは大きいほど増加し,ペレット当たりの成熟子実体の可能な形成数は1個程度と推測された.子実体形成に対する所要目数は約10日であった.
- 日本きのこ学会の論文
- 1999-10-30
著者
関連論文
- 567 カルニチン脱水素酵素の酵素的定量法への利用 (第2報) : YS-240株の生産するL-カルニチン脱水素酵素の精製と諸性質
- 566 カルニチン脱水素酵素の酸素的定量法への利用 (第1報) : L-カルニチンに対する親和性の高い脱水素酵素の検索
- ダイズの無菌共生栽培における根粒形成要因
- 中国・内蒙古地域における伝統的発酵乳アイラグの微生物フローラ
- 種間および種内細胞融合による大豆根粒菌の窒素固定能の増大
- Aspergillus niger の gluconate dehydratase の性質
- Pseudomonas stutzeriによるグルコン酸からのピルビン酸の作成
- エノキタケの栽培時に混入する細菌による「ストップ症状」の発生機作
- アイソザイム分析によるヒトヨタケ属担子菌の同定と識別
- エノキタケの栄養生長および子実体形成における栄養要求性
- Pseudomonas 属細菌によるエチレングリコールドデシルエーテルの生分解
- Propionibacterium freudenreichii の1,2-Propanediol 培地における Vitamin B_1_2生成
- Propionibacterium freudenreichiiによる1,2-Propanediolの発酵
- カチオン界面活性剤の微生物処理
- 食用・薬用きのこの育種にかかる最近の展開
- 担子菌の光形態形成および代謝制御に関する研究
- 生ごみ分解機の反応槽内で増殖する微生物相の動態
- 308. 微生物によるD-カルニチンの分解 (第1報) : D-カルニチン脱水素酵素生産菌の検索とKT-1株における分解経路の推定
- 中国内蒙古地域における伝統的発酵乳エードスンスーの微生物フローラ
- 中国・内蒙古地域における伝統的醗酵乳の製造
- シイタケの栄養生長と子実体形成の栄養環境
- コーンファイバー抽出成分による食用きのこ類の子実体形成の促進
- ナメコ(Pholiota nameko)二核菌糸体の脱二核化による扁平なセクターの出現に及ぼす培養温度の影響
- ナメコ(Pholiota nameko)における異常脱二核化菌糸体の二核化能力に関する遺伝解析
- ナメコ(Pholiota nameko)栽培におけるオイディア形成につづく親二核菌糸体との接合の仕組みの解析と再二核化が及ぼす表現型変異の評価
- ナメコ(Pholiota nameko)の担子胞子およびオイディア由来一核株の菌糸生長における表現型変異
- アミスギタケの液内培養菌糸体からの子実体形成の主要条件
- エノキタケの一核性オイディアに対する各種変異原処理による栄養要求性株の誘発と分離
- 韓国農業科学技術院を訪問して : 韓国のきのこ研究と開発の動向(海外レポート)
- マツタケの菌糸生長に及ぼす培地の特性と栄養条件
- ヒラタケ属きのこの不和合性因子構成の連鎖分析
- サラミノヒトヨタケの菌糸体生長と子実体形成におけるマンニトールの代謝
- エノキタケ純白系品種における子実体白色性形質発現とSODおよびフェノールオキシダーゼの相対活性の相関
- きのこの子実体形成制御 : I. 菌糸体の生長の栄養環境