しょうがい児を育てる母親のQOLに影響する要因 : 定型発達児の母親との比較
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概要
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本研究の目的は,子育て期のしょうがい児の母親と定型発達児の母親のQOLに影響する心理的諸要因,およびソーシャルサポートの関連性を比較検討することである.しょうがい児の母親67名(平均年齢36.76±4.21歳),定型発達児の母親92名(平均年齢34.02±5.77歳)を分析対象とした.これらの母親のQOLを規定する要因は,主観的幸福感,SOC,ソーシャルサポートであったが,しょうがい児の母親と定型発達児の母親とでは,SOCの次元が異なっていた.主観的幸福感は,しょうがい児の母親では年代が上がるにつれて高くなるのに対し,定型発達児の母親では低く推移していた.また,ソーシャルサポートと夫婦関係満足度は交互作用が認められ,夫婦関係満足度が低くソーシャルサポートが低い状態でQOLは最も低く予想されたが,夫婦関係満足度が低くても,ソーシャルサポートが高ければQOLは高く予測されることが示された.しょうがい児であっても定型発達児であっても子育て期の母親にとって,様々な側面からのソーシャルサポートを提供していくことが,QOLを促進させる効果があることが示唆された.
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