しょうがい児を育てる親のQOLの経年的変化
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概要
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本研究の目的は,しょうがい児を育てる親のQOLの経年的変化について,SOC及びソーシャルサポートの観点から横断的に検討することである.QOLの経年的変化は,統計的に確認されなかったが,次元によっては年代や性の主効果が認められた.一般成人を対象とした先行研究において,QOLは経年的に高くなるのに比べ,しょうがい児の親ではその様相は異なり,50歳以上は他の年代に比べてQOL得点が低かった.SOCの経年的な変化は認められなかったものの,いずれの年代においても有意味性が把握可能性や処理可能性よりも高いことが示された.また,SOCはQOL,ソーシャルサポートに強く関連しており,先行研究で明らかにされているソーシャルサポートがもつストレス低減効果,QOL,および健康促進効果の過程においてSOCの関与が示唆された.ソーシャルサポートは,いずれの年代においてもQOLに促進的に関連していた.サポート源については,年代や性別によりその主観的評価が異なることが示された.若年層のしょうがい児の親には医療・行政サポートを窓口としたソーシャルサポートの拡大,高齢層には親族・近隣サポートの代替え的サポートの提供というような,年代によって異なるサポート源の活用や提供の必要性が示唆された.
著者
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