FTAカードを使用したシイタケの簡易品種判別法
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概要
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きのこの遺伝子を解析する場合,出発材料としては培養菌糸,子実体組織,菌床など,様々なケースがおり得る.それぞれの試料から同時に簡単にDNAを調製する方法として,FTAカードを試みた.初めにシイタケの子実体とスラントあるいはシャーレ寒天培地由来の菌糸体をFTAプラントセーバーカード上に乗せ,上から重しをかけて押しつぶし試料とした.その後,付属のカッターでFTAカードから直径1.2mmの断片を切り出し,シイタケのキシラナーゼ遺伝子(xyl)とグルコアミラーゼ遺伝子(gla1)の部分配列をPCRで増幅した.その結果,培養菌糸,子実体組織片,菌床,いずれの試料由来のFTAカードからもxyl,gla1をPCR増幅できた.増幅されたDNAを制限酵素MspI,Hae IIIで切断した後,電気泳動パターン(RFLP)で比較したところ,シイタケの2つの栽培品種を区別することができた.FTAカード法は,シイタケの簡易品種判別法に応用可能である.
- 2011-04-25
著者
-
高畠 幸司
富山県農林水産総合技術センター森林研究所
-
砂川 政英
森総研
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砂川 政英
(独)森林総合研究所
-
馬替 由美
(独)森林総合研究所
-
長久 克也
上田産業株式会社
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田中 清治
上田産業株式会社
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