摂食・嚥下障害を伴う施設入居高齢者に対する介護職員の食事介助体験の心理過程 : 特別養護老人ホームの場合
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概要
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本研究の目的は,特別養護老人ホームで働く介護職員が摂食・嚥下障害を伴う入居者の食事介助体験を通じて,どのように安全を意識し,食事介助に対する態度を形成するようになるのか,そのプロセスを明らかにすることにある.分析対象は10名,分析には修正版グランデッド・セオリー・アプローチを用いた.その結果,第1ステップとして,予測できない出来事に遭遇するという辛い体験が,以前よりも強く安全を意識することにつながること.第2ステップでは,安全を意識するようになった結果,食事に対して命を守るという責任の自覚をすることになり,入居者にとって食べることの意味との間でジレンマを感じるようになること.第3ステップとして,このようなジレンマをかかえつつ,食べることの意味が大きいと判断した場合には創意工夫などチャレンジ的な態度を,命を守る責任感の方が強い場合には無理に食べさせないなど無難な対応をするようになる結果が得られた.
- 2011-03-20
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