同性どうしのピア・カウンセリングにおける転移、逆転移及び自我の変化に関する研究
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概要
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本研究の目的は、同性どうしのピア・カウンセリングを行い、その過程で転移、あるいは逆転移が生じ、クライエントの自我にどのような変化が生じるかを明らかにするものである。43組の男子学生どうしのペアと15組の女子学生どうしのペアでピア・カウンセリングを10回行った。研究 i において、クライエントの幼児期における親イメージとカウンセラーイメージとの相関から転移は生じていないことがとらえられたが、カウンセラーの幼児期における父親イメージと男子のクライエントイメージとの相関が有意であったことから逆転移が生じたととらえられた。研究 ii において、研究 i のカウンセリング過程でクライエントに長尾の自我強度尺度とバウムテストを実施した。その結果、男子クライエントは、カウンセリングによって一時的に現実的自己が高まり、女子クライエントは、無意識水準の自我は発達したことが明らかにされた。研究 i と研究 ii から、青年期におけるピア関係は、男子と女子とで異なり、男子は上下関係、女子は対等で深い関係が形成しやすいことが示唆された。
- 2011-03-30
著者
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