青年期の自我発達上の危機状態尺度に関する信頼性の検討
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概要
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本研究の結果は、以下のとおりに要約される。(1) 危機状態尺度の信頼性について、再検査法からこの尺度の安定性が、折半法からこの尺度の内的一貫性が、また項目分析の結果から「親からの独立と依存のアンビバレンス」下位項目尺度を除く下位項目尺度の識別性が明らかにされた。(2) 社会的望ましさ尺度の結果から、高校生の場合の危機状態尺度に対する社会的規範の反映が、また虚構尺度の結果から、中学男子の場合の危機状態尺度に対する歪められた回答傾向がとらえられた。(3) 危機状態尺度総得点の得点分布は、正規性はないものの、A水準得点(問題内省水準得点)とB水準得点(問題自覚水準得点)とでそれぞれ正規性の得点分布が示された。(4) 危機状態についての自己評価と他者評価の比較に関して、A水準尺度のほうがB水準尺度よりも自己評価と他者評価の一致度が高く、生徒の状態を評価する教師側の要因が評価に大きく影響していることや「精神衰弱」下位項目尺度以外の各下位項目尺度は自己評価と他者評価の一致度が低いことが明らかにされた。
- 活水女子大学の論文
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