明治24年版『改正増補 哲学字彙』の可能性
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概要
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明治期の学術用語集『哲学字彙』は初版(1881年)・改訂増補版(1884年)・英独仏和版(1912年)があるが、これまで英独仏和版成立過程の詳細はあまり知られていない。英独仏和版の主たる著者である井上哲次郎は、自身の日記(「巽軒日記」)に哲学字彙の編纂に関する記録を残している。1891年ごろには『哲学字彙』改訂増補版の「再版」を知らせる広告が雑誌に数回掲載されており、先行研究で「複数の版種がある」とされた『哲学字彙』改訂増補版には、1884年版の他に1891年版が存在する可能性が高くなった。東京大学所蔵の『哲学字彙』の1冊は、共著者である元良勇次郎の旧蔵本である可能性が高いこともわかった。この本には書き込みがあり、英独仏和版の編纂に用いられた可能性がある。これらの資料相互の位置づけを通して英独仏和版の成立過程を考察する。
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