総白血球数とその分画、空腹時インスリン、メタボリックシンドロームの関係

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日本人において、総白血球数とその分画、インスリン、メタボリックシンドロームの関係を横断的に検討した。対象は、埼玉県済生会栗橋病院の人間ドックを受診した日本人男女(男性1,910人、女性849人)で、慢性的に炎症を引き起こす可能性のある疾患の既往歴や糖尿病、高血圧、脂質異常症の内服がなく、白血球数が正常範囲内の者である。メタボリックシンドロームの診断には国際糖尿病連合の診断基準を用いた。メタボリックシンドロームの有病率は、男性で12.4%、女性で10.4%であった。男女とも、白血球数の増加にしたがい、肥満度や心血管危険因子は悪化し空腹時インスリン値は上昇した。また、空腹時インスリン値を含む交絡因子で補正後の総白血球数、好中球数は、メタボリックシンドロームの構成因子数の増加に従い増加した。空腹時インスリン値を含む多因子補正後のロジスティック回帰分析では、総白血球数の4分位において、最上位群では最下位群と比較し男女それぞれ、メタボリックシンドロームの相対危険度が2.26倍、2.71倍であった。同様に、好中球数の4分位において、最上位群では最下位群と比較し男女それぞれ、メタボリックシンドロームの相対危険度が2.17倍、4.08倍であった。また、男性でのみ、リンパ球数はメタボリックシンドロームの独立した危険因子であった。本横断研究において、メタボリックシンドロームはインスリンから独立した炎症状態(総白血球数とその分画)を示唆していた。しかし本関係には男女差があり、この点が心血管疾患や糖尿病の発症の性差にどの程度関連しているのかは不明であり、今後の検討課題である。
2011-03-31

総白血球数とその分画、空腹時インスリン、メタボリックシンドロームの関係

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