初診2型糖尿病患者における血糖コントロール予測因子の同定

概要

論文の詳細を見る
電子カルテシステムのテンプレートを用いて初診2型糖尿病患者において初診時背景因子を抽出し、6ヵ月後の血糖コントロールとの関係を調べた。2003年7月から2005年3月までの間に東京女子医科大学糖尿病センターを初診し、初診時HbA1c 6.5%以上で6ヶ月間以上継続通院した788名を対象とした。電子カルテシステムからテンプレートを用いて、問診、身体所見、生化学検査所見、内服薬を抽出し背景因子とした。初診から6ヵ月後のHbA1c 6.5%未満を血糖コントロール良好群、6.5%以上を血糖コントロール不良群の2群に分け、ロジスティック回帰分析を用いて両群間の背景因子を比較した。その結果、初診時に薬物療法を受けていない(オッズ比0.46、95%CI 0.32-0.67)、尿酸値が高い(オッズ比1.25、95%CI 1.09-1.42)、総コレステロール値が低い(オッズ比0.80、95%CI 0.68-0.93)、血清クレアチニン値が高い(オッズ比1.07、95%CI 1.02-1.13)、患者年齢が若い(オッズ比0.99、95%CI 0.97-1.00)、罹病期間が短い(オッズ比0.98、95%CI 0.95-1.00)患者で血糖コントロールが良好になりやすかった。この研究結果により良好な血糖コントロールを得られにくい患者を初診時に同定することが可能となり、糖尿病合併症発症を予防するためにはこのような背景因子を持つ患者に対して早期から厳格な治療を開始することが必要であると考えられる。
東京女子医科大学の論文
2009-03-25

初診2型糖尿病患者における血糖コントロール予測因子の同定

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク