75g糖負荷試験とHbA1cの年齢別解析

概要

論文の詳細を見る
目的:75 g経口糖負荷試験(OGTT)による血糖値の判定基準と、新しい診断基準のひとつに採用されたHbA1c値の判定基準を年齢層別に比較検討した。,方法:糖尿病が疑われて東京女子医科大学病院の糖尿病・代謝内科を受診し、OGTTを施行した7,798名を対象とした。OGTTの判定基準に基づき、正常型(NGT)、境界型(BL)、糖尿病型(DM)に分類した。OGTTの判定基準による分類と、HbA1c値の判定基準(6.1%以上)による分類を比較した。また、年齢層別にOGTT時の血糖値および血清インスリン値の時間経過を比較した。,結果:HbA1c≧6.1%の割合は、NGT 2.0%、BL 11.5%、DM 50.4%だった。NGTとBLでは、高齢になるに従いHbA1c≧6.1%の割合が増加した。DMでは年齢とHbA1c≧6.1%の割合に相関を認めなかった。HbA1c≧6.1%におけるNGT、BL、DMの比率は、NGT 4.6%、BL 23.5%、DM 71.9%であり、NGT、BL、DMの比率と年齢の間に有意な相関を認めなかった。HbA1c<6.1%におけるNGT、BL、DMの比率は、NGT 48.0%、BL 37.4%、DM 14.6%だった。NGTの割合は高齢になるに従い減少し、BLおよびDMの割合は高齢になるに従い増加した。NGTとBLでは高齢になるに従い、OGTT負荷前、負荷30分後、60分後、120分後の全てで、血糖値は上昇し、血清インスリン値は低下した。,結論:NGTとBLでは、高齢になるに従いHbA1c≧6.1%の割合が増加し、OGTTによる判定結果とHbA1c値による判定結果の一致率は低下した。高齢になるに従いHbA1c≧6.1%の割合が増加する原因として、インスリン分泌能の低下による食後高血糖が関与している可能性が示唆された。
2011-03-31

75g糖負荷試験とHbA1cの年齢別解析

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク