推算平均血糖値は患者に理解可能か?

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背景:HbA1cは国ごとに測定値が異なるため、近年HbA1cの国際標準化の流れがでている。米国糖尿病学会(ADA)は、HbA1cの解釈のためにHbA1c(NGSP値)を平均血糖値に換算するHbA1c-Derived Average Glucose(ADAG)という概念を提唱し、Nathanらは推算平均血糖値(mg/dl)=28.7×HbA1c(NGSP値)( %)-46.7という式を確立した。今回我々は、ADAGという概念を用いて患者に推算平均血糖値で説明した場合、患者がその値を無理なく実感としてとらえることができるかどうかを検討した。対象と方法:対象は、当科外来を受診した1000人(男性 609人、平均62±15(平均±標準偏差)歳)とした。同時採血におけるHbA1c(JDS値)と随時血糖値で回帰分析を施行し、各HbA1c(国際標準値)に対応する随時血糖値を算出した。次にこの随時血糖値がADAの提示している推算平均血糖値の範囲から逸脱していないかを検討した。さらに、この回帰直線の糖尿病型、治療法、慢性腎臓病や貧血の有無、性別による違いについて一変量分散分析を用いて検討した。結果:HbA1c(国際標準値)と随時血糖値の間に相関を認め(PG(mg/dl)=28.7×HbA1c(国際標準値)(%)-52.2(R2=0.25))、この関係性から算出された各HbA1c(国際標準値)に対応する随時血糖値はADAの提示する推算平均血糖値の95%信頼区間から大きな逸脱を認めなかった。腎不全、貧血の有無でみると、回帰直線の相関係数は有意に解離していた。結論:各 HbA1c(国際標準値)に対応する通常診療の随時血糖値が、ADAの提示している推算平均血糖値の範囲から逸脱していなかった。このことから、もしHbA1cを推算平均血糖値で説明した場合でも、随時血糖値とかけ離れた値ではないため、患者はその値を無理なく理解できると考えた。ただし、腎不全、貧血のある患者には不適応であると考えられた。
2011-03-31

推算平均血糖値は患者に理解可能か?

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