わが国の初回小児糖尿病サマーキャンプ参加者の長期予後

概要

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アメリカで開催された世界最初のサマーキャンプに遅れること38年、丸山は1963年8月、わが国初めての小児糖尿病サマーキャンプを千葉県館山市で開催し、8名が参加した。小児糖尿病サマーキャンプの目的は患児の自立、仲間づくり、インスリン自己注射の会得、低血糖の予防・対策をはじめとする糖尿病教育をすることである。,この初回小児サマーキャンプ参加者8名の2008年12月31日時点の状況を調査した。1名は27歳頃に事故死したので、生存する7名について述べる(暦年齢:52歳〜58歳、罹病期間:46年〜52年)。全例に、膝蓋腱反射、アキレス腱反射の消失、両側内顆の振動覚の低下がみられたが、神経障害による自覚症状は認めなかった。眼底所見は、網膜症なし2名(過去に単純網膜症の既往あり)、単純網膜症2名、増殖網膜症3名(福田分類;A31名、A51名、VI1名)(うち1名は片眼失明)であった。過去に光凝固術を施行されたのは網膜症のない2名を除く5名(71.4%)であった。腎臓所見は、腎症前期3名、早期腎症期3名、顕性腎症期1名であったが、だれも血液透析を受けていなかった。頸動脈エコー検査による内膜中膜複合体厚(IMT)、足関節上腕血圧比(ABI)および脈波伝搬速度(PWV)を実施したところ、IMTは検査を施行できた6名中1名(16.7%)に軽度の肥厚がみられたが、ABIは6名全例に異常を認めなかった。また、PWVを施行できた6名中4名(66.7%)が高値を示していた。HbA1cが測定可能となった1983年から2008年の平均HbA1c値は6.8%から9.1%の範囲にあり、過去1年間に限ってみると平均HbA1c値は6.1%から8.4%であった。1名は2003年に脳梗塞を発症したが機能障害は認めず、1名は2007年に心不全を発症したが日常生活に支障はない。残り5名には細小血管症、大血管症による日常生活の支障は認めなかった。,ここに初回小児サマーキャンプ開催45年経過後の全参加者の予後が初めて評価できた。
2011-03-31

わが国の初回小児糖尿病サマーキャンプ参加者の長期予後

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