2型糖尿病の血糖降下薬のエビデンス

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2型糖尿病の治療の基本は食事・運動療法であるが、血糖コントロールが十分に改善しない場合は、スルホニル尿素薬、ビグアナイド薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、チアゾリジン薬、速効型インスリン分泌促進薬、DPP-4阻害薬の6系統のいずれかの経口血糖降下薬を用いた治療が開始されることが多い。作用機序の観点からは、インスリン抵抗性改善系のビグアナイド薬とチアゾリジン薬、インスリン分泌促進系のスルホニル尿素薬、速効型インスリン分泌促進薬、DPP-4阻害薬、それに、食後高血糖改善系のα-グルコシダーゼ阻害薬と速効型インスリン分泌促進薬に分類できる。糖尿病治療の最終目的は細小血管障害や大血管障害などの合併症を抑制し、健康な人と変わらないQOLや寿命を達成することであるので、薬物治療によりこれらの目標が達成できるというエビデンスがあることが重要である。,細小血管障害抑制に関しては、明らかなエビデンスがあるのはスルホニル尿素薬だけであるが、多くの疫学研究から、他の経口血糖降下薬を用いた場合でも十分な血糖コントロールが達成できれば、スルホニル尿素薬と同等な抑制効果が期待できる。大血管障害に関しては、ビグアナイド薬にもっとも明確なエビデンスがあるが、チアゾリジン薬、スルホニル尿素薬、α-グルコシダーゼ阻害薬にも抑制効果が示されている。速効型インスリン分泌促進薬とDPP-4阻害薬については、今後の研究を待つ必要がある。,単剤の経口血糖降下薬で良好な血糖コントロールが達成できない場合は、経口血糖降下薬の併用、さらにはインスリンの併用やインスリン治療への切り替えが行われる。このような多剤併用療法による厳格な血糖コントロールの合併症抑制効果については一定の成績が得られていない。ただし、糖尿病発症早期の厳格な血糖コントロールは推奨されること、重症低血糖は糖尿病合併症に対して悪影響を与えることなどのエビデンスが集積されつつある。
2011-03-31

2型糖尿病の血糖降下薬のエビデンス

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