知識産業の多様なネットワーク組織特性 : 規模の経済性か、ロングテールの経済性か
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概要
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この小論は、知識産業における「多様なネットワーク組織特性」について検討している。知識産業における知識構築(生産)構造が、結局のところ、人びとの間における知識循環の在り方に影響を与えていることを明らかにしている。知識の種類には、共通概念と特殊概念があり、それぞれ相互に関係し合う構造を持っていることを、この論文ではネットワーク分析を用いて究明している。 このような知識群は、知識生産者と知識消費者の間を循環することはもちろんのことであるが、それ以外に知識生産者の間でも相互に関係し合いながら、循環・流通していることが知られている。けれども、知識が生産された組織体から、利用される組織体へ移転される場合には、相互の組織体の間に、知識を相互に受け入れる「互換性(interchangeability)」が確保されている必要のあることが明らかになっている。互換性の確保には、組織体の間に生ずる知識循環のネットワーク結合条件が満たされる必要がある。この条件には、メディアの確保などの技術的で効率追求的な条件ばかりでなく、知識構造における人びとの知識を求める「多様性(diversity)」を取り込むことも必要であることが分かってきている。この小論では、後半においてJ大学での知識循環過程の転換現象を取り上げ、事例研究を提示している。
著者
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