中間組織論 : 家計経済と市場経済の中間ネットワーク : 再論
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概要
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この小論で考察したい点は、社会のなかの媒介的機能がどのように組織化されるのかを明らかにすることにある。社会には、企業、政府、コミュニティなどさまざまなレベルにおける、多様な種類の組織が存在しているという現実があり、それぞれの組織のなかでも大なり小なりの媒介機能が存在する。それにもかかわらず、さらにこのような組織間を繋ぐような結節点を形成し、媒介ネットワークが生ずるのはなぜなのであろうか。これまで、このような観点から、企業組織、政府組織、コミュニティ組織、貨幣組織などの問題を取り上げてきているが、今回はとりわけ家計組織における所得プーリングの問題に焦点を当ててみたい。家計組織では、近代になって「閉じられた組織」としては、かなり機能不全を起こす事態が見られる。このような状況のなかで、家計外に存在するような、いわば「開かれた組織」である市場経済などと、ネットワークという観点からみてどのような関係にあるのかについて考察してみたい。
著者
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