ハクサンハタザオによるカドミウムのファイトレメディエーション

概要

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本研究では試験1においてハクサンハタザオの根量と土壌中カドミウム濃度の関係を調査し,試験2では同一土壌で5回の繰り返し栽培試験を行った.試験の結果より以下のことが示された.(1)ハクサンハタザオの根は栽培1ヶ月後では上層(0〜10cm)に8割以上が分布していたが,2ヶ月後には栽培容器の底部(35cm)にまで根が達し,各層に根が分布していた.根量の増加と共に地上部収量も増加し,1植物体あたりカドミウムの集積量は2ヶ月後で1.5mgであった.(2)ハクサンハタザオを同一土壌で5回繰り返し栽培した結果,土壌中カドミウムが初期濃度の6〜8割減少した.減少したカドミウムの主な形態は可給性の高い交換態であることが示唆されたが,それ以外の形態のカドミウムについても5回の栽培により約6割の減少が見られた.(3)根量と土壌中のカドミウム濃度に高い負の相関が示された.また試験1,2共に土壌,植物体間のカドミウム収支は一致しており,ハクサンハタザオによる土壌中のカドミウム除去が確認された.(4)土壌中の全カドミウム濃度と植物体地上部のカドミウム濃度には正の相関が見られた.Bioaccumulation Factorは平均値で88(52〜200)という高い値を示し,ハクサンハタザオの土壌からの効率的なカドミウム集積が示唆された.カドミウム低減化のための技術は,対象とする地域の作物の品目やその作物の蓄積特性が多様である事などから,その場所に適した技術を選び,また組み合わせていくことが重要である.ファイトレメディエーションはその中において有望な技術であり,本研究で用いたハクサンハタザオが浄化植物のひとつとして利用されることを期待する.
2010-04-05

ハクサンハタザオによるカドミウムのファイトレメディエーション

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