不確実性の下での意思決定と期待効用仮説の一般化
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概要
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不確実性の下での意思決定の標準的な理論である「期待効用仮説」は、多くの有用な経済分析の道具として役割を果たしてきたが、問題点も指摘されている。その一つが「曖昧性」を含んだ不確実性を取り扱うことができないことである。特に最近再評価されているナイト流の「不確実性」を分析できないとされている。その問題点を克服するため、多くの「期待効用仮説」に一般化の試みがされているが、本稿はその一つの試みである。ここでは、ナイト流の「不確実性」を、状態の確率分布に対応する複数の状況が併存し、その状況に主観的確率を割り当てるしかない場合と定義し、「曖昧性」を伴う不確実性と解釈する。確率分布の異なった状況の加法性が否定される場合、それぞれの状況の期待効用をNM効用関数に類似した関数で変換した値の期待値で、意思決定の基準とすることにより、「曖昧性」を伴う不確実性の下での選好の基準の導出を明らかにする。
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