社会史教授論の展開 : 中等歴史教育内容改革研究
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概要
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本研究は,中等学校における歴史教育内容改革の理論的枠組みを得るため,70年代から90年代にかけてアメリカ合衆国で開発された社会史アプローチに基づく中等歴史教育プログラムを分析し,社会史教授の原理・類型を明らかにすることを目的に為された。考察の結果,「総合的歴史理解」と「現代社会理解」に資する社会史教授論は,「主題的社会史教授論」と「年代的社会史教授論」とに大別でき,さらに前者の下位類型として「社会生活領域史教授」型・「社会生活拡大史教授」型・「社会生活領域・拡大史教授」型を持つこと,後者の下位類型として「国家政治領域史の社会史的教授」型・「国家総合史の社会史的教授」型・「世界諸地域総合史の社会史的教授」型を持つことが明らかになった。また,社会史教授論は,「総合的歴史」の内容構成軸の解釈を視座に,主題的社会史教授論から年代的社会史教授論に漸進的に展開してきていることが明らかになった。
- 日本教科教育学会の論文
- 2001-06-30
著者
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