住環境づくりへの主体的意識を育てる高校家庭科の授業開発(第1報) : 授業の全体構造と学習プロセス
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概要
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高等学校家庭科住居領域の学習において,生徒の住環境に対する関心を高め,快適な住環境をつくろうとする意欲や実践力を育てることを目的とし,授業開発を行なった。本報では,授業の全体構造と学習プロセスについて報告する。授業の設計に際しては,以下の3点を重視した。第1は,生徒の関心と視点が個人(プライベートな空間)から社会(公共空間,公共施設)へと無理なく広がるよう学習の流れを設定すること。第2は,個人学習とグループ学習の成果が互いに活かされるよう両者を関連づけること。第3は,教室や公共施設の設計の課題に仮の依頼主を設け,生徒たちが具体的な提案を行なう設定とすることである。授業全体を三部構成とし,第1段階は快適な住空間について考える導入部分,第2段階は快適な空間の設計と模型製作に関わる学習,第3段階はまとめの時間とした。また,授業の実践にあたっては,問題解決の基本プロセスが体験できるよう配慮し,特に第2段階の学習において,フィールドワークによる現状把握から設計計画,具体的な設計提案までの学習を組込んだ。授業は福井県立K高等学校1年生を対象として,1995年9月から12月に実施した。生徒のなかに活発な討論や表現活動がみられ,また設計・模型製作の段階では時間外の自発的な活動がなされるなど,個人,グループともに学習への積極的な取り組みが観察された。
- 1999-12-31
著者
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