20世紀初頭のドイツにおける簡易物理実験書の出現とわが国への影響
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概要
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ドイツのドロテーエン市立実科ギムナジウムの物理教師バーン(Hahn, Hermann:1857-1929)の簡易物理実験に対する理念や彼の著作である『簡易物理実験・第1・2巻』(1905,1907年)の内容を明らかにし,この実験書のわが国への影響について論及した。その結果,次の諸点が明らかになった。(1)19世紀末葉のドイツにおいて,簡易物理実験の振興を提唱した中心的人物であるシュヴァルベ(Schwalbe, Bemhard:1841-1901)と,彼の死後,遺志を継承したバーンでは,簡易実験の方法などに関して,異なった考え方を有していたことが分かった。(2)19世紀末葉から20世紀初頭のドイツにおいて,簡易物理実験は英仏などの先進諸国の影響を受けていた。一方,バーンの簡易実験書のわが国への影響として,森総之助著『物理学講義実験法』(1911年)第一編に取り上げられている簡易実験のうち,約半数がバーンの実験書に取り上げられていたことが分かった。
- 日本教科教育学会の論文
- 1997-06-25
著者
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