理科における観察・実験の場の構成(VIII) : 比較・判断に伴う生体反応と情報探索活動
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概要
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本報においては,前報までの成果をふまえて,自然認識の基盤となる比較操作(情報探索時)と判断(情報探索終了時)に伴う生体反応の導出・分析から,それらにおける情報探索活動に伴う内的活動の把握・分析を試みるものである。男子学生10人を学習者とし,生体反応としては脳波,脈波および角膜網膜電位反射を導出し,クラスター分析法を用いて分析した。用意した比較・判断場面は閉眼安静時,同一性認知にいたる差違異同の比較操作過程,同一性判断時,差違性認知にいたる差違異同の比較操作過程,差違性判断時の5場面である。その結果,以下の5点が指摘できた。(1)差違異同の比較操作過程(情報探索時)に伴う内的活動は,その結果が同一性あるいは差違性の認知であっても同じものと言える。(2)判断時(情報探索終了時)の内的活動は,同一性判断時と差違性判断時とでは異なる。(3)同一性認知においても差違性認知においても,比較操作過程と判断時の内的活動は異なる。(4)閉眼安静時(非情報探索時)の内的活動は他の4場面とは異なる。(5)情報探索時,情報探索終了時および非情報探索時の3種の知的活動水準に応じて脳波,脈波,角膜網膜電位反射の組み合せが異なる。
- 日本教科教育学会の論文
- 1981-07-31
著者
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