2 周辺部材を有する板の温度応力計算法について : その2 置換トラス法による計算式の誘導(構造系)
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概要
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前報では、周辺部材を有する板の温度応力解祈を、支持条件、板厚、周辺部材と板の断面中心間距離及び周辺部材と板の温度ひずみ等を変えて、3次元有限要素法によって行った結果について述べた。その結果周辺部材断面内では平面が保たれないこと、周辺部材と板の偏心距離によって、変形性状及び周辺部材断面内では平面が保たれないこと、周辺部材と板の偏心距離によって、変形性状及び周辺部材の応力或いは板の応力度分布に差が生じること等が明らかになった。通常、建物の解析には、周辺部材と床スラブ或いは壁の間の偏心は考えていない。しかし欽筋コンクリート造建物では、はりと床スラブは図-1(b)のように偏心距離eを有しており、耐震壁についても柱或いははりと壁の間に偏心距離を有していることがあるから、健物の温度変形及び応力の立体解析を正確にするためには、前報の解析結果からしても、周辺部材と板の偏心を考慮した解析法を取り入れる必要があると考える。その一方法として前報の方法を建物全体に拡張して3次元有限要素法によって解くことが考えられる。しかしこの場合には、前報の解析結果を参照すれば、未知数の量が膨大になることは明らかなため、実用的な計算法とは言い難い。そこで本報では、周辺部材と板の偏心も考慮でき、かつ未知数の少い計算式を導く。そして式の適合性を検討するために、先ず偏心のない場合の計算例について、2次元有限要素法による解との比較を試みる.なお計算式の誘導は次章で詳しく述べるが、例えば周辺部材と板が編心している場合について、図-2のように分割したときの(イ)本報の計算式による場合と(ロ)有限要素法による場合の未知数の量を比較してみると次のようになる.(イ)では123の未知量なのに対し、(ロ)では板部を2次元要素で扱うとして、周辺都材をせい方向に3分割した場合に666,5分割した場合には1098の未知量となり(イ)は(ロ)より少い未知数ですむことがわかる。ただし本報の計算式では、板には面内応力のみ生じると仮定し、面外応力は無視する。
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