複数の観測を考慮した2状態POMDPモデルにおける最適保全政策の構造的性質(ソフトウェアの信頼性,信頼性理論,信頼性一般)

概要

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本稿では,正常と異常の2つの状態に分類可能なシステムを考える.離散的な時点において,モニターを使用した観測を伴う稼働と伴わない稼働,点検,修理,取り替えのいずれかの行動を選択し,システムを稼働させた場合はマルコフ的に劣化する.点検を行わない限りシステムの真の状態を把握することはできず,代わりに稼働後はシステムが異常である確率を得る.また,修理は不完全であるため,修理後は必ずしも修理直前よりも良い状態に回復するとは限らないのに対し,取り替えが行われた場合は必ずシステムは正常な状態になる.このようなシステムを部分観測可能なマルコフ決定過程(Partially Observable Markov Process)モデルとして定式化し,総期待割引コストを最小とする最適保全政策の持つ構造的性質を調べる.モニターによる観測結果が一様分布に従うとき,適当な条件の下,最適保全政策が高々8領域に分割されることを示す.また,さらに幾つかの制約を加えることにより,最適保全性政策の領域数を減少させることができることを明らかにする.
2010-05-21