土壌流出によるリン負荷の沿岸環境への影響(シンポジウム:陸と海の相互作用-海は陸にどのように依存しているか?-)
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概要
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陸上からの土壌流出による海域への土壌リン負荷の重要性,及び,流出土壌リンの海域における挙動について矢作川と知多湾の調査結果を中心に考察した.2000年9月の東海豪雨の影響により,2000年6月から1年間の矢作川から知多湾への年間懸濁物負荷量は約30万トンに達したが,東海豪雨後一週間の負荷量のみで25万トン以上と年間負荷量の83%を占めた.同様に懸濁態リンと懸濁態窒素については豪雨時の高濃度懸濁物の流出に伴って,東海豪雨時の負荷量はリンで平水年負荷量推定値の3.3年分,窒素で2.5年分に達し,土壌リン負荷の影響は非常に大きい.土壌リンは増水時の集中負荷,コロイドP負荷,吸着平衡による溶存態リン酸の調節,貧酸素環境下での底泥からの溶出などにより沿岸域へのリン負荷とリン循環に重要な役割を果たしている.
- 2003-02-24
著者
-
豊川 雅哉
(独)水産総合研究センター中央水産研究所
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田中 勝久
独立行政法人国際農林水産業研究センター
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黒田 伸郎
愛知県水産試験場
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田中 勝久
Jircas
-
澤田 知希
財団法人 愛知県水産業振興基金 栽培漁業部
-
柳澤 豊重
愛知県水産試験場 漁業生産研究所
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豊川 雅哉
独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所
-
澤田 知希
愛知県水産試験場内水面漁業研究所
-
柳澤 豊重
愛知県水産試験場漁業生産研究所
-
黒田 伸郎
愛知県水産試験場漁業生産研究所
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