有明海における堆積速度について
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概要
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有明海における過去100年の堆積環境を詳細に調べるため,^<210>Pb法を用いて諫早湾口部を含む有明海奥部の3点および有明海中央部1点の計4点における堆積速度を求めた.有明海における堆積速度は,0.08±0.01g cm^<-2>yr^<-1>から0.34±0.09g cm^<-2>yr^<-1>の範囲であり,有明海奥部では中央部よりも約2倍以上速かった.また,諫早湾口部における堆積速度は1970年代後半〜1980年代前半頃を境に速くなり,この時期に諫早湾口付近においてより多くの浮泥を堆積させるような海洋環境の変化が起こったことを示唆していた.得られた堆積速度から計算される現在の有明海奥部泥質域への粒子の堆積量は0.85×10^<12>g yr^<-1>(85×10^<4>ton yr^<-1>)と見積もられた.
- 2008-02-29
著者
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田中 勝久
独立行政法人国際農林水産業研究センター
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田中 勝久
Jircas
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石樋 由香
独立行政法人水産総介研究センター養殖研究所生産システム部
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児玉 真史
水研セ中央水研
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児玉 真史
独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所海洋生産部
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皆川 昌幸
独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所海洋生産部
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