東シナ海における黒潮前線周辺の水塊分布および流動構造の時空間変動

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概要

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東シナ海陸棚縁辺部における,黒潮前線周辺の水塊分布および流動構造の時空間変動を把握するため,1998年5月10〜12日,1998年5月22〜26日,1999年5月24〜28日の期間に,ADCPとCTDの集中観測を行った.その結果,σ_t=24.0の等密度線に沿って混合水が陸棚縁から陸棚斜面上まで張り出している様子が観測された.このような混合水の張り出しは,等深線に直交し黒潮の強流帯へ向かう方向の比較的強い流れによってもたらされていることが分かった.また,陸棚縁周辺では,σ_t=23.0,24.0の等密度線付近に孤立した混合水塊が観測された.孤立した混合水塊が観測された地点では,等深線に直交する方向の流速成分ではなく,等深線に沿う方向の流速成分が卓越していた.このことから,孤立した混合水塊は,観測測線よりも黒潮の上流部において陸棚上から切り離された混合水が,等深線に沿う方向の流れによって輸送されてきたものではないかと推察される.
日本海洋学会の論文
2001-08-23

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