三河湾の覆砂による底質改善効果に関する追跡調査
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概要
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本報告は,三河湾において実施された覆砂の試験工事後の底質改善の効果の追跡調査結果を述べたものである.同湾において,運輸省は縦横150m,100m,厚さ50cmの覆砂の試験工事を1987年6月に実施した.用いた覆砂材は,同湾口部の中山水道から浚渫された海砂である.追跡調査は,覆砂工事後6年間の1993年1月まで行われ,覆砂域と原地盤域の底質(COD,T-N,T-P),底生生物の個体数,種類数等の測定を事前調査を含めて合計14回実施した.6年間の追跡調査の結果,覆砂域の底質CODは原地盤域に比べて低い値を維持しており,底質改善の効果を持続している.また,覆砂域の底生生物に関しては,原地盤域に比べて多様度指数が増加していることから,底生生物の生息環境も改善され,かつ持続されていることがわかった.しかし,覆砂域の表層泥の栄養塩濃度が増加する傾向にあり,新生堆積物の影響が徐々に出始めている徴候が見られた.
- 日本海洋学会の論文
- 1998-08-25
著者
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