東シナ海の海洋構造 : MASFLEX projectの観測結果より(シンポジウム:東シナ海の物質循環-MASFLEXの総括)
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概要
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1992年から1996年にかけて,東シナ海において5回の観測を行った.最初の3年は東シナ海の海洋構造の季節的な変化を観測した.観測は主に,沖縄から揚子江河口域を結ぶPN線を中心に行った.次の2年は大陸棚縁辺部を詳細に観測した.PN線上の海洋構造は際だった季節的な変化を示した.夏及び秋は,表面の温度上昇により成層が発達し,冬は表面の冷却と強い季節風のために特に大陸棚上では温度,塩分の鉛直的な変化はみられなかった.大陸棚上の水塊はその起源(揚子江,黄海,黒潮,台湾暖流)により分類された.大陸棚縁辺部では黒潮と陸棚上の水の交換が海底地形及び黒潮の蛇行を反映して,距離的に近い観測点でも異なっていた.また,海洋構造は潮汐流の変化及び黒潮蛇行の時間変化のために,数時間から数日で変動した.
- 日本海洋学会の論文
- 1998-08-25
著者
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