北太平洋北西部の中層水におけるexcessCO_2とpH_<excess>
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概要
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大気中の二酸化炭素の上昇に伴う海水中の溶存無機炭素濃度(TCO_2)の上昇(excess CO_2)とpHの減少(pH_<excess>)を,TCO_2とpHの関係式より計算する方法を提案した。この方法を用い,北太平洋北西部およびオホーツク海の中層水中のexcess CO_2とpH_<excess>を計算し,以下のことが分かった。(1)中層水の生成/変質により,等密度面上で比べると,クリル海盆(オホーツク海)とブッソル海峡でexcess CO_2は最大であった。(2)オホーツク海と北太平洋西部亜寒帯域におけるexcess CO_2の差は,σ_θ=27.0の等密度面で最大(約8μmol kg^<-1>)であった。(3)北太平洋西部亜寒帯域と北太平洋亜熱帯域におけるexcess CO_2は,中層水上部(σ_θ=26.7〜27.0)でのみ有意の差が見られた。(4)北太平洋亜熱帯域の中層水に蓄積するexcess CO_2の約10%は,北太平洋亜寒帯域とオホーツク海との海水交換により説明できた。
- 日本海洋学会の論文
- 2002-03-05
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