発達の源泉としての教材
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概要
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教育的に価値のある対象として選択,吟味された教育目標と,その具体化であり手段である教材によって構成される教育内容という契機,そして,その教育内容と向き合うべき子どもの側の発達という契機が,教育指導によって媒介され,どのように作用しあうのか.子どもは,外界と自己にはたらきかける活動によって,教材を加工・創造し,取り入れることのできる質と量,そして連関をもった単位を形成していく.その活動には,発達の様式的特徴が普遍性をもって貫いている.この普遍性に,生活の過程によって醸成されていく個別性が統合されて,一人ひとりの個性的な能力と人格の発達が達成されていく.芸術教材は,障害のある子どもたちの生活感情と重なることによって,発達の源泉のみならず,精神的な支えとなっていく.このような外界と自己にはたらきかける主体としての子どもの発達理解が求められる.その理解を広げるのは,どんな子どもに育ってほしいのかという教育目的の不断の議論であり,それを可能にする時間と自由を教師は要求する.
著者
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