パッシブ遮煙機能を持つアトリウム型ソーラーチムニーの自然換気性能に関する研究

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自然換気を計画する建築物において,自然換気のシステムをほぼそのまま利用して,火災時の煙制御・避難安全を確保する試みとして,既報において,アトリウム型ソーラーチムニーの建築物をプロトタイプとして想定し,その方向性と換気・遮煙を支配する主な現象の予測法を示した。本論文では,このプロトタイプの自然換気性能を系統的に予測することにより,パッシブ遮煙機能を持つ自然換気システムのあり方を検討する。その結果として,以下のことが確認された:(1)排気口/給気口の面積比が2以上になると,換気量にあまり変化がみられなくなるため,排気口/給気口の面積比を2〜3程度になるように開口部を設けることが効率的であると考えられる。(2)チムニーの高さに対して,換気量がほぼ直線的に変化するが,高さに対する換気量の変化率は小さい。(3)東京では,夏に太陽高度が高くなり,チムニーの受熱壁が受ける日射量が減少するため,受熱壁に勾配を与えて日射取得量を増大させる設計法の有効性を確認した。(4)緯度が東京より高い北海道,ロンドンでは受熱壁が受ける日射量の年間変動は東京より少なく,夏でも受熱壁はかなりの日射量を受けるため,プロトタイプそのままでも一年を通して安定した換気量が期待できる。(5)風圧力と浮力が同時に作用する場合,外部風速が1m/s以下ではソーラーチムニーの煙突効果が支配的であるが,1m/sを越えると風上側開口で逆流となり,さらに2m/sを越えると,外部風の影響が支配的となる。
2004-04-25

パッシブ遮煙機能を持つアトリウム型ソーラーチムニーの自然換気性能に関する研究

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