聴覚情景分析に基づく難聴者のための音声強調手法
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概要
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難聴者の多くは,雑音下における会話の聴き取りが困難であり,補聴器を装用しても改善は難しい.一方,健聴者は混合音の中から目的の音源だけを抽出する能力を生得しており,雑音下においても比較的ロバストに聴き取ることができる.この音源抽出能力を心理学的知見に基づいてまとめた枠組みとして,聴覚情景分析(ASA)が知られている.ASAの考えによれば,基本周波数とその高調波から成る構造は音声を含む自然界の様々な音に含まれており,音源を聞き分けるために重要な手掛かりの1つであると指摘している.本稿では,難聴者の雑音下における音声聴取能力の向上を目的として,ASAの知見に着目した補聴器の音声強調手法を提案する.提案手法は,音声の基本周波数(F0)の抽出部,及びくし型フィルタと木構造フィルタバンクを用いた調波構造強調部から構成される.試作補聴器を用いて難聴被験者6名による強調効果の評価実験を行い,雑音付加時の単語了解度試験のスコアが僅かながらも改善することを確認した.
- 2010-07-09
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