脳画像正規化の限界に関する情報理論的解析(脳活動の計測と解析,一般)

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概要

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脳機能イメージングでは、個々人の脳を解剖学的な類似性に基づいて標準脳に正規化することがよく行われる。しかし、脳の構造は多様でかつ構造と機能は必ずしも一致していないため、正規化にはおのずと限界がある。本研究では、3種の正規化手法-linear volume-based法,nonlinear volume-based法,surface-based法-を,ヒト視覚野の確率地図とエントロピー地図を基に定量的に評価した。正規化後の標準空間における視覚野の存在確率を計算すると,surface-based法はvolume-based法に比べて3倍程度の向上を示したが,確率の値は平均して0.3程度にとどまった.視覚野のエントロピーについては平均1ビット程度(二者択一の不確定性に相当)で,両者に大差がないことがわかった.現在の正規化技術はまだまだ未熟で,使用にあたってはその限界に留意する必要がある.
2010-07-20

著者

山本洋紀
京都大学大学院人間・環境学研究科

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