線および面補完知覚における大脳皮質低次視覚野活動の解析 : fMRI研究(視聴覚情報処理とインタフェース&応用システム及び一般)

概要

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ヒトは、部分的に遮蔽された物体を補完して全体像を即座に知覚することができる。脳イメージング研究によって、遮蔽物体の情報処理に高次視覚野LOG(Lateral Occipital Complex)が関与することが示されている(Y. Learnerら2002[1]など)が、LOCに至るまでにどのような処理が行われているのかは明らかでない。我々は、LOCに至るまでの経路、レチノトピーを有する低次視覚野において遮蔽物がレチノトピックに補完される可能性を、fMRIを用いて検証した。ターゲットとなる刺激は、等速回転する一様灰色の扇形刺激であった。テスト条件では、右上および左下視野に遮蔽物が配置され、扇形刺激が遮蔽物の下を通過するように回転した。コントロール条件では、遮蔽物および扇形刺激のテスト条件で遮蔽された部分を取り除いた刺激を用意した。また、リフアレンス条件として、扇形刺激が遮蔽物の上を通過する場合を用意した。これらの刺激に対して、低次視覚野の応答位相は視野の角度次元表象に沿って連続的に変化すると考えられる。 V1およびV2では、テスト条件で遮蔽された部分を表象する脳部位で扇形刺激の回転に応じた応答の連続的変化は観察されなかった。一方、V3およびV3Aでは、遮蔽された部分を表象する脳部位で、あたかも遮蔽された部分を補完するかのような応答が観察された。本実験結果より、遮蔽物の補完が視覚情報処理の中間段階から始まる可能性が示唆された。
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-05-21

線および面補完知覚における大脳皮質低次視覚野活動の解析 : fMRI研究(視聴覚情報処理とインタフェース&応用システム及び一般)

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