ヒト腹側視覚経路における色知覚形成過程

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概要

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本研究の目的は、fMRIを用いて脳活動を測定することにより、色知覚空間比較過程と脳内神経活動の関連を調べることである。実験に用いた刺激は、誘導刺激と被誘導刺激からなり、誘導刺激は色フリッカであった。被誘導刺激は2種類で、1つは白色固定、もう1つは誘導刺激と同期して変調する色フリッカであった。被誘導刺激に対する知覚は、それぞれ対比色のフリッカ、白色固定となり、物理特性と反転した。後頭葉の鳥距溝近傍の初期視覚野では、物理色フリッカに強いfMRI応答を示すか、もしくは物理フリッカ、知覚フリッカに同程度の応答を示した。一方、より前頭腹側の視覚野では、知覚フリッカ観察時に応答が増加した。以上の結果は、光の物理波長の符号化から空間比較過程へ至る階層的色情報処理が腹測視覚経路で行われていることを示唆する。また、空間比較過程は1次視覚野ですでに始まっている可能性がある。
社団法人電子情報通信学会の論文
1999-06-18

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