カラスヨトウ属(Amphipyra)の蛹について
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概要
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ヤガ科カラスヨトウ亜科カラスヨトウ属(Amphipyra)の日本産7種の蛹を調べたところ,いずれもよく似るが,尾突起はそれぞれの種で特徴的な形態であった.尾突起には針状あるいは鉤状の刺毛が生じ,シマカラスヨトウ(A. pyramidea),オオシマカラスヨトウ(A. monolitha)およびオオウスヅマカラスヨトウ(A. erebina)は針状の,カラスヨトウ(A. livida),ツマジロカラスヨトウ(A. schrenckii)は鉤状の,シロスジカラスヨトウ(A. tripartita)とヤヒコカラスヨトウ(A. sp.)は両方の刺毛を有していた.飼育下での観察によればカラスヨトウは地表面や地表近くの枝の分岐点に繭を作り,ヤヒコカラスヨトウは地表面や飼育箱の片隅で簡単な繭を作って蛹化した.そのほかの種も葉を綴って繭を作ったが,同様な場所で蛹化したので,刺毛形態と蛹化場所との間には関連はないと考えられた.
- 日本鱗翅学会の論文
- 1994-10-30
著者
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