クロシマカラスヨトウの卵形態と日本産Amphipyra属8種の卵サイズの比較
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概要
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クロシマカラスヨトウAmphipyra okinawensis Sugiの卵形態を記載するとともに日本産8種の卵の直径と成虫の前翅長との関係を比較した.その結果,クロシマカラスヨトウの卵の直径は776.1μm,卵の高さは583.1μmであり,この属の中では比較的小さな卵であった.卵には精孔部周辺から19-21本の縦隆起線が放射状に広がるが,シマカラスヨトウの33本,オオシマカラスヨトウ31本に比べると少なく,線の間隔は開いていた.卵は黄褐色の地色に上部と側面下部が円状に暗褐色となり,この卵斑紋様はオオシマカラスヨトウの卵と似ていた.精孔部付近の卵弁の形は不規で他の種と異なる特徴を示した.卵の直径/成虫の前翅長(μm/mm)を求めたところ,クロシマカラスヨトウは33.7となり,オオシマカラストウ24.4,シマカラスヨトウ28.5に次いで小さな値となった.このことから,クロシマカラスヨトウはオオシマカラスヨトウ,シマカラスヨトウとよく似た卵の生産力をもつと推定された.
- 日本鱗翅学会の論文
- 1995-12-10
著者
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