タイ産ミズメイガ亜科(鱗翅目:メイガ科)の研究 : (3) Eristena属の2新種
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概要
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ミズメイガ亜科Eristena属は東洋区からオーストラリア区にかけて分布し,これまで8種が記載されているが,タイから未知であった.本論文で同国からの本属2新種の記載をした.新種E.gregariaは,タイ北部Chiang Mai県に分布し,スリランカから記載されたE.postalbalis(HAMPSON,1893)に近縁であるが,成虫の翅形および後翅の斑紋から容易に区別される.成虫は昼間,川ぞいのマメ科植物の葉裏に集団でいるところが観察された.集団は大きいものでおよそ100匹に達する.採集された1集団は雄8匹に対し雌5匹であった.筆者の知るかぎり,このようなメイガ科成虫の集団は,ほかに知られていない.ほかの1新種E.tanongchitiは,タイ南部Chantaburi県に分布していて,上記の新種E.gregariaに非常に似ている.しかし,雄の中・後脚に前種にみられる鱗毛の束を欠くことや,雄交尾器のvalvaの状態などによって区別される.
- 1984-07-20
著者
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吉安 裕
Laboratory Of Entomology Faculty Of Agriculture Kyoto Prefectural University
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吉安 裕
Laboratory Of Applied Entomology Faculty Of Agriculture Kyoto Prefectural University
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