ミズメイガ2種の越冬場所とその幼虫齢期(鱗翅目,ツトガ科)
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概要
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京都市深泥池において,1998年11月-1999年4月及び1999年11月と12月に,マダラミズメイガElophila interruptalisとミドロミズメイガNeoschoenobia testacealisの越冬場所(部位)とその発育段階を調査した.約1か月に1回,両種の共通の寄主であるジュンサイとヒメコウホネの葉を根部付近から切り取り,ヒメコウホネは葉と葉柄に分けて,それぞれの部位にいる幼虫を採集した.越冬している幼虫齢期を確かめるため,全個体の頭幅を実体顕微鏡下で計測した.その結果,越冬期間中のマダラミズメイガは3齢か4齢幼虫でジュンサイの葉に切り取った1枚の葉片をつけて,比較的堅固な繭をつむいで中に静止していた.一方,ミドロミズメイガは2齢幼虫で越冬し,ヒメコウホネの葉縁で表皮下に潜っているか,葉柄に穿孔していた.いずれの場合も,繭はつむいでいなかった.この両植物は晩秋の11月から12月中旬頃までは浮葉があるので,そこにも一部の個体が見られたが,1-3月には浮葉がなく,2種とも水中の葉から発見された.4月に浮葉があらわれると,越冬幼虫はそれに移動して摂食・発育をはじめると考えた.
- 日本鱗翅学会の論文
- 2000-06-30
著者
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吉安 裕
Laboratory Of Entomology Faculty Of Agriculture Kyoto Prefectural University
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吉安 裕
Laboratory Of Applied Entomology Faculty Of Agriculture Kyoto Prefectural University
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鴨志田 徹也
Laboratory of Applied Entomology, Faculty of Agriculture, Kyoto Prefectural University
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鴨志田 徹也
Laboratory Of Applied Entomology Faculty Of Agriculture Kyoto Prefectural University
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