ニセシロオビアゲハの幼生期と遺伝〔英文〕
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概要
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昆虫アカデミーの1974年度のフィリピン昆虫調査において,8月3日にボホール島でミカンからニセシロオビアゲハの若齢幼虫1頭を採集し,また8月7日に同島でニセシロオビアゲハ1♀より1卵をしぼり出した,その後セブ島,レイテ島で調査を続けながら,上記幼虫と卵より孵化した幼虫をミカンを食草として飼育した.若齢幼虫はフィリピンシロオビアゲハと非常によく似ており野外での区別は困難であるが,4齢幼虫はフィリピンシロオビアゲハより褐色がかっていた.終齢幼虫の地色は脱皮直後はうすい赤褐色であったが,1頭は脱皮の翌日,カラスアゲハのようなまだら模様をもった緑色となり,他の幼虫は緑褐色となった.蛹は2個体とも緑色でカラスアゲハ型であった.1蛹はすぐ病死したが,他の蛹は休眠蛹となった.蛹化は8月17日であったが,9月1日より南山大学の25℃,1日15時間照明の飼育室においたところ10月21日に♀が羽化した.この♀とフィリピンシロオビアゲハとの交雑によって,26頭の♂成虫を得たが,これらF_1は生殖能力を有していなかった.雑種の幼生期は幼虫,蛹ともほぼ両親の中間となり,成虫は有尾であった.
- 日本鱗翅学会の論文
- 1977-12-01
著者
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