水潤滑式船尾管軸受の軸受性能に関する模型実験について(昭和43年学協会刊行物掲載論文再録集)

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最近の船尾管軸受は,特に大形船において,在来の水潤滑式リグナムバイタ軸受に対して,耐軸受荷重性のすぐれた油潤滑方式のホワイトメタルが採用されるようになってきた.しかし,これの使用実績はなく目浅く,信頼性の面で未知の要素を含んでいる.そこで,高性能水潤滑式船尾軸受を再開発するため,123mm径の模型軸受の試験を行なった.この試験は在来形リグナムバイタ軸受と,これと同形のフェノール樹脂軸受の再検討をおよび2例の新規軸受を含む.これによりつぎのような結果が得られた.1.リグナムバイタ軸受は船の実用条件範囲内ではすぐれた性能を示す.本実験におけるその軸受摩擦係数μはつぎのような実験式で示された.μ=(11)/(N√<P>) N:軸回転数 rpm P:軸受圧力 kg/cm^22.リグナムバイタと同形のフェノール樹脂軸受は,特定の試験条件において顕著な焼付性を示す.この焼付限界条件は本試験条件の下ではつぎのような関係にあった.V=4.95×10^<-5>(U/P^2)^<-2.23> V:冷却水量率 l/min/mm U:軸表面速度 m/s3.有効な冷却と潤滑の効果を期待したフェノール樹脂多孔形軸受を試作し,これの試験を行なった結果在来形フェノール樹脂軸受と同じ傾向を示した.しかし耐焼付性は改善された.4.軸受の可撓性と軸受反力の均等化を期待したフェノール樹脂ゴム裏打形軸受を試作した.これの耐焼付性は多孔形よりもさらに改善された.
1969-03-15

水潤滑式船尾管軸受の軸受性能に関する模型実験について(昭和43年学協会刊行物掲載論文再録集)

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