キクとの雑種を含むワカサハマギク個体群の14年後の追跡調査
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概要
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かつて染色体数の増加を伴ったキク(園芸菊)との雑種が発見されたことのあるワカサハマギクの個体群(内部に地蔵尊の祠を含む)について,染色体数の構成を14年後に追跡調査した.観察した31個体中2n=62の低七倍体が1個体,2n=37の高四倍体が1個体見られたが,残りの29個体は正常な2n=36の四倍体であり,1985年の調査以後,新たな雑種は生じていないようであった.この2n=62の低七倍体は,形態や生育場所などから,1982年に初認された雑種と同一の個体と推察され,雑種が自然界で少なくとも18年生存することが確認された.
- 2001-07-20
著者
-
中田 政司
富山県中央植物園
-
須藤 晃延
広島大学大学院理学研究科附属植物遺伝子保管実験施設
-
谷口 研至
広島大学大学院理学研究科附属植物遺伝子保管実験施設
-
中田 政司
富山県立大学短期大学部環境システム工学科
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