Paramartyria expeditionis(コバネガ科)を基に新属Vietomartyria創設
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概要
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著者の一人,Meyは1997年にベトナムからParamartyria expeditionisを記載したが,本種は触角の構造や前脛節の葉状片の欠如など,Paramartyria属の他の既知種とは異なり特異な存在であった.橋本は1999年に採集された雄標本を検する機会を持ち,再検討した結果,本種はParamartyria属よりはPalaeomioroides属やNeomicropteryx属に近縁であると考えられたので,この種を基に新属を創設した.Vietomartyria gen.nov.Type species:Paramartyria expeditionis Mey,1997この属は,触角鞭節の各節基部に長い柄を有すること,雄の生殖口が末端から離れているという固有新形質を有する.本属は表面的にParamartyria属に似ているが,類似の多くは原始的な特徴であり,触角の鞭節の形状,節数などの形質においてParamartyria属とは異にしている.また,本属はNeomicropteryx属とPalaeomicroides属に近縁であると考えられるが,両属とは雄交尾器の構造で容易に区別される.これら3属間の姉妹群関係については,今後の課題である.
- 日本鱗翅学会の論文
- 2000-12-20
著者
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Mey Wolfram
Museum Fur Naturkunde Institut Fur Systematische Zoologie Humboldt-universitat
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橋本 里志
Zoological Laboratory, Faculty of Agriculture, Meijo University
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