妊娠期からの継続した心理的支援が周産期女性の不安・抑うつに及ぼす効果(宮城母性衛生学会会長推薦論文)

概要

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妊娠期から助産師による,継続的な心理的支援が,産後うつ病と愛着障害の予防に寄与するか否かを検証した。無作為割り付けによる患者対照デザインを用いて,特定の助産師が妊娠初期から産褥期まで継続した心理的支援を行う妊婦からなる介入群(n=30)と,従来通りの妊婦健診を行う妊婦からなる対照群(n=28)をマタニティ・ブルーズスコアやEPDSとBonding Questionnaire(BQ)の指標を用いて縦断的に比較した。その結果,マタニティ・ブルーズは全対象者(介入群+対照群)の20.4%であった。また,産褥期のEPDSは産褥1ヵ月と3ヵ月目で「経産」が産褥1ヵ月目で「低出生体重児」の母親が,介入群と対照群に有意差がみられ,介入群の得点が低かった。また,愛着はBQ値が,産褥1ヵ月と3ヵ月目で「経産」「低出生体重児」「経済認識」の母親において介入群と対照群に有意差がみられ,介入群の得点が低く,胎児感情は良好な結果を示した。このことは,妊娠期からの継続した心理的支援が周産期の女性の心理的安定と児に対する愛着の促進につながることを示唆するものである。