旧高田市における幼小連携 : 幼小連絡協議会における論議をめぐって
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概要
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1951(昭和26)年,新潟県旧高田市において,市立大手町小学校長・高田幼稚園長の長谷川増吉を会長に,高田幼年教育研究会が発足した。同会は旧高田市内の幼稚園,小学校低学年の教員,保育所保母によって構成され,幼小の相互理解を目的に,幼小連絡協議会を年2回ずつ開催している。この協議会は公人のイニシアティヴで運営されたが,私立幼稚園や民営保育所の保育者の参加者も含めた自主的なものであった。就学前施設の普及が不十分な状況で,幼児教育への理解が必ずしも高くなかった当時にあって,こうした会の開催は全国的にみてもあまり例のない試みであったと推察される。しかし,同会で何かどのように論議されたのかについては,これまで明らかにされていない。幸いにも参会者による筆記録やメモが残されている。それらは断片的なものではあるが,そこからはこの地域における1950年代から1960年代にかけての,幼小それぞれの教員・保育者の関心の在処をうかがい知ることができる。本稿ではこの記録の内容を再構成して協議内容を明らかにするとともに,当時の幼小連携の実状とそれをめぐる問題について事例的に考察する。
- 2008-03-31
著者
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