保育者養成短大における学生の進路選択行動についての教育心理学的考察
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概要
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本研究では、保育者養成短大に在籍する学生が自己と職業についてどのように考えて職業選択を行い、就職活動をおこなっているのかを明らかにすることを目的とし、学生9名を対象に「就職活動について」インタビュー調査をおこなった。その結果、対象者たちは、広義の就職活動を通して、2年間の短大生活の中で自己や職業を問い、これらのすり合わせをし、職業選択をおこなっていた。特に実習を通して現実の保育者や職場に触れ、それまで思い描いていた保育者像、もしくは自分自身との間に差異を感じた時に、その不均衡を解消するために自己や職業についての考え直しが起こり、自己と職業とのすり合わせが生じていた。また、就職をめぐる親とのかかわり方に自己の在り様が反映されており、かつ、そのかかわりを通して自己の変容も起きていた。狭義の就職活動への取り組み姿勢に関しては、進路選択自己効力、職業適性不安、日常での個人的な問題、自己の感覚などによって影響を受けていた。職業選択行動はアイデンティティ発達の過程において、自己の在り様は様々であったが、いずれの場合も、2年間の短大生活という広義の就職活動を通して自己や職業についてそれぞれのやり方と深さで考えている姿が見られた。今後の課題として、親以外の他者の影響や未来展望などについても検討が必要である。また、その後の勤務継続状況や職業アイデンティティ形成と学生期の職業選択の在り様とがどのように関連するのかという点も検討が必要である。
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