回転を考慮した非対称運搬経路問題の準最適解法
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概要
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運搬経路問題は物流システムにおける基本的な問題の1つであり,小売店への商品の配送などに幅広い応用をもつ.このため運搬経路問題に関しては数多くの研究があるが,それらの多くは,各運搬車は1日に1つのルートを巡回するものと暗に仮定している.しかし実務においては,1台の運搬車が1日に複数のルートを巡回する場合(回転)が頻繁に現れる.また従来の研究の多くは,総移動距離の最小化を目的としている.しかし実際の運搬現場においては,総移動距離の最小化よりも,最も時間のかかる運搬車の稼働時間(最大稼働時間)を最小化するほうが重要である場合も存在する.また,道路の混み具合が進行方向で異なる場合や一方通行などを考慮すると,運搬車の顧客間の移動時間は,通常,非対称となる.そこで当研究では,目的関数が最大稼働時間の最小化である場合の,回転を考慮した非対称運搬経路問題を取り上げ,この問題の準最適解法を提案する.最初に,この問題を混合0-1整数計画問題に定式化する.次いで,割当問題と半割当問題を解いてこの問題の下界値を求める方法を示したあと,この問題の縮小化方法を提案する.さらに,上界値と下界値の差を順次減少させながらこの問題の準最適解を求める方法を提案する.そして最後に,提案法の有効性を数値実験によって検証する.
- 2007-10-15
著者
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