腫瘍内に肝細胞への分化を示す成分を含み、血中AFPが高値であった卵巣セルトリ・ライディク細胞腫の一例

概要

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Alpha-fetoprotein(AFP)を産生する卵巣のセルトリ・ライディク細胞腫は非常にまれで、英文の報告例は30に満たない。72歳の左卵巣に発生した臨床I病期のセルトリ・ライディク細胞腫でAFPが高値を示した症例を報告する。,AFP陽性細胞の多くは胞体が腫大、あるいは空胞状を示し、グリコーゲン顆粒を含んでおり、さらに免疫染色でHepatpcyte Specific Antigen (OCH1E5)陽性の所見を得た。,これまでの報告例ではAFP陽性細胞は組織学的にライディク細胞, セルトリ細胞, 肝細胞類似の細胞、未分化な細胞、そして消化管上皮細胞に見出されている。本症例のAFP陽性細胞は組織学的には肝細胞に似ていなかったが、胎児・成人の正常肝および腫瘍性肝細胞に特異的に反応するOCH1E5が陽性であることから、肝細胞への分化を示すことが明らかとなった。,卵巣のセルトリ・ライディク細胞腫で、AFP陽性細胞の肝細胞への分化がOCH1E5陽性の所見によって確認された最初の報告例である。、
2010-02-25