がん疼痛マネジメントに関する知識と困難についての看護師の認識
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概要
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看護師のがん疼痛マネジメントに関する知識と困難に関する認識を明らかにすることを目的に、A市内でがん患者と関わる機会のある病院に所属する930名の看護師に対し、自記式質問紙調査を行った。381人(有効回答率40.9%)の回答を分析した結果、一般病棟は緩和ケア病棟に比べ、1項目を除く36の知識項目で「よく知っている」と回答した割合が少なく、痛みの特徴や鎮痛薬を含めた23項目で有意差が見られた(p<0.05)。特に、一般病棟で5年未満の看護師は、鎮痛薬の作用や副作用、モルヒネの中毒症状、プラセボの使用に関して「よく知っている」と回答した割合が5年以上の看護師より少なく、有意差が見られた(p<0.05)。また、一般病棟の看護師の61.0%はがん疼痛マネジメントに関する研修の受講経験がなく、全ての知識項目で受講経験がある看護師より「よく知っている」と回答した割合が少なく、有意差が見られた(p<0.05)。がん疼痛マネジメントに関して看護師全体の61.3%が困難を「よく感じる」と回答し、「少し感じる」の回答を併せると98.1%が困難を感じていた。困難に関する内容で多かったのは、「患者が痛みを表現できない」「複雑な痛みのある患者に対応すること」であった。以上から、特に一般病棟で看護師経験が5年未満の看護師やがん疼痛マネジメントに関する研修の受講経験がない看護師に対し、がん疼痛マネジメントに関する知識を獲得できる方法を検討する必要があることが示唆された。
- 天使大学の論文
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